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「寝たきり」とは






介護に関わるとよく聞く「寝たきり」という言葉。

私も伝わりやすいという理由から日常で使っています。

ただ、言葉の響きやイメージが明るいものではなく、できれば他の言葉を使いたいと思いつつ、代わりとなるような言葉が見つからずにいます。


「寝たきり」というと漠然と寝ている人のイメージがあると思いますが、実際にはどのような状態をいうのでしょうか。改めて、調べてみました。




目次

  • 寝たきりとは

  • 寝たきりの原因

  • 寝たきりの介護の留意点

  • 寝たきりと介護保険





寝たきりとは


実は意外なことに「寝たきり」という言葉は俗語で明確な定義はありません。

長期にわたり寝たままの状態のことで、一般的には「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準のB、Cにあたります。


障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)↓


B、屋内での生活は何らかの介護を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ

C,日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替えにおいて介護を要する


また、介護保険の介護度でいうと要介護4、要介護5に当てはまりそうです。


このように何らかの障害によりベッド上で過ごすことが主になり、日常生活に介護が欠かせない状態となったことをいいます。




寝たきりの原因


では、なぜ寝たきりになってしまうのでしょうか。

主な原因は5つあります。

  • 脳血管疾患

  • 認知症

  • 高齢による衰弱

  • 関節疾患

  • 骨折、転倒

厚生労働相国民生活基礎調査(2016)より


このような原因により寝ている状態が長く続き、後遺症が残って思うように動けなくなると、筋力や骨量が低下して寝たきりとなるリスクが高まります。

特にフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)状態となり回復することが難しくなることが多いです。




寝たきり介護の留意点


まずは、介護される側、介護する側のストレスを知ることからはじめることが大切だと思います。


介護する側から見ると、寝たきりの方は皮膚が極端に弱い、骨折しやすい、飲み込む力が弱いなどの特徴がありそれらの原因からケガや事故につながる可能性があります。

成人は身体が大きいため介護者の体力もつかいます。

そのため介護者は常に精神的にも肉体的にもストレスがかかりやすい状態になります。


反対に介護される側から見ると、今まで当たり前にできていた日常生活が送れなくなり人に介護されることが多くなります。

身体の不調、ケガ、事故の可能性もあり、様々な不安や苦痛から同じように精神的にも肉体的にもストレスがかかりやすい状態になります。

それは、意志疎通困難な方や、認知症の方にも同じことがいえます。


このような状況でお互いのストレスを軽減するためには、介護認定を受け介護保険を利用して必要な介護用品や、サービスなどの支援を受けること。

また、例えば介護用パジャマ前開きのような楽に着替えられるものを用意することだけでもストレスの軽減につながります。


また、時には散歩や、好きな音楽を楽しむ時間を作る。

そして、お互いの気持ちが煮詰まる前に介護者を交代して、リフレッシュした気持ちで再び向き合える環境を作ることも大切だと思います。


このように両者の立場を考えて少しでも介護のストレスを減らし、一瞬一瞬の積み重ねでいい時間が過ごせたらと思います。




寝たきりと介護保険


寝たきりの状態になると何らかの介護が必要になります。

そのような時こそ介護保険を使うことでさまざまな支援が受けられます。

介護保険についても簡単にお話します。



介護保険とは


介護が必要な方に、その費用を給付してくれる保険です。

全国の市町村と23区で、保険料と税金で運営されています。

サービスを受けるのに原則1割の自己負担が必要です。

ただし、前年度の所得に応じて、自己負担率が2割あるいは3割になります。

サービスを受けられる被保険者とは

基本的には第1号被保険者(65歳以上の方)と、特例として第2号被保険者(40歳から64歳までの方)で老化に起因する16の疾病により介護認定を受けた場合に限り対象となります。

介護保険被保険者証はどこでもらえるのか

お住まいの自治体の介護保険課、高齢者支援課などが窓口となります。



受けられるサービス


1.居宅介護支援

ケアプランの作成、家族の相談対応など



2・居宅サービス


【訪問型サービス】

・訪問介護

・生活援助(掃除、洗濯、買い物、調理など)

・身体介助(入浴、排泄のお世話)

・訪問看護(医師の指示のもと、看護師が健康チェック、療養上のお世話)

・訪問入浴介助(自宅の浴槽を持ち込み入浴を介助する)

・訪問リハビリテーション(専門家に来てもらい自宅でリハビリを受ける)

・居宅療養管理指導(医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などに訪問してもらい、療養上の管理指導を受ける)

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間対応型の訪問介護・訪問看護サービス)

【通所型サービス】

・デイサービス(食事、入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上するためのリハビリやレク、「美味しく、楽しく、安全に食べる」ための口腔清掃や口唇・舌の機能訓練などを日帰りで行う)

・デイケア(施設や病院などで、日常生活の自立のために理学療法士などがリハビリを行う)

・認知症対応型通所介護(認知症と診断された高齢者が利用するサービス)

 

【短期滞在型サービス】

・ショートステイ(施設などに短期間宿泊して、食事、入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上するためのリハビリの支援など。家族の介護負担軽減や施設入居準備などに利用できる)


3.施設に入居するサービス(施設サービス)

  ・特別養護老人ホーム

  ・介護老人保健施設

  ・介護療養型医療施設

4.福祉用具に関するサービス

  ・介護ベッド、車いすなどのレンタル

  ・入浴・排泄関係の福祉用具の購入費の助成(年間10万円が上限で、その1割から3割を自己負担することで購入できる)



5.住宅改修

  ・手すり、バリアフリー、和室トイレを洋式にといった工事費用に補助金が支給される。最大20万円まで。利用者はその1割から3割を負担。

要介護認定の申請方法

 介護保険サービスを利用するには要支援・要介護認定が必要です。お住まいの市町村の介護保険担当窓口で申請することからはじめます。

 認定調査員が自宅に来てご本人の日常生活の状態を伺い、身体機能のチェックを行います。その後認定結果が出るまでに1か月程度を要します。

 要支援が出た場合は地域包括支援センターに相談、要介護が出た場合はケアマネージャーに相談します。





介護保険について書きましたが、まずは市町村の介護保険課などで直接お話をされることが一番わかりやすいと思います。

私も両親の要介護認定の申請で窓口に行きましたが、わかりやすく親切に教えてもらえました。

そこで感じたことは、介護保険についての細かい疑問点は対面で聞くのが一番だということです。

例えば、補助金を利用して介護用具を購入する場合は購入前に手続きが必要だったり、購入できる店舗が限られていることがあります。確認せずに購入すると全額自己負担になることも。せっかく利用できる介護保険の制度は無駄にせず有効に使いましょう

「寝たきり」は、他人ごとではなく自分や大切な人がいつそのような状態になるのかわかりません。寝たきりの方と介護をする方が少しでも快適に気持ち良く過ごせるか考えていけたらいいなと思います。


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